愛は思うまま

アラサー女の愛と憎しみ

君はうんこを漏らしたことがあるか

私はおむつが取れて以降、人生で2回うんこを漏らしている。

 

初回のうんこ漏らしは小学2年生の時。

その日のことはなぜか細かいことをよく覚えている。

朝の通学班の集まりの時、なんとなくお腹が痛いと思っていた。

でも小学生の私には「お腹が痛いと周りの大人に伝えて、家に一旦戻る」という思考はなかった。

子供は便意に対してどんなアクションをすればいいか、よくわからないものなのだ。

そのままぼんやり学校に向かった。

体育会に全校児童が集まって全校朝会をしていたときのことだ。

確か、歯の健康を守って80歳まで歯が20本生えているようにしましょう、という「8020運動」について保健委員会が発表していた。

それどころじゃなかったはずなのに、なぜか覚えている。

無性に私はうんこがしたかった。お腹も痛かった。

でも先生のところまで歩いて言って、「うんこがしたいです、トイレに行かせてください」という勇気はなかった。子供だから。

腹痛と便意に耐えていたら突然、正座で座っていたお尻が宙に浮いたような気がした。

雲のようにふわふわのうんこを漏らしていた。

もちろん、先生のところまで行って「うんこを漏らしました」なんて言えない。子供だから。

そのあとは朝会が終わるまで耐え、教室へ忍び足で戻った。

教室に戻ってから、同じクラスの子達が臭いと騒ぎ出した。

私はどうしよう、と思ったが座っていることしかできなかった。

先生が「校庭の花の肥料の臭いじゃ無いかな?」とか言ってたような気がする。

休み時間に、女の子2人組が私のところにやって来た。

女子「わたしちゃん、ちょっと立ってみて?」

わたし「(やばい、ばれてる)なんで?」

女子「なんでもいいからさー立ってみてよ」

 

このまま意地になって立たないと漏らしたと思われるかもしれない・・・。と思い始め、私は立った。

椅子のクッションがわりになっていた防災頭巾カバーには茶色いシミが広がっていた。

 

わたし「はい、これでいい?ちなみにこれはこの前の図工の時に絵の具がついちゃっただけだから」

女子「(ニヤニヤ)ふーん。じゃあね」

苦しい言い訳をペラペラ話した甲斐なく完全にバレていたと思う。

その後、私は給食前に担任の先生に呼び出されるまで、ふわふわのうんこを漏らしたままだった。

なんと朝から4時間目まで耐えたのだ。

今思えばすごいガッツだ。

 

担任の先生に保健室に連れて行かれ、パンツを下ろされた。

保健の先生は「あらら〜」とか言ってたと思う。

その後、替えの下着をもらい着替えて1日を終えた。

 

母は、新しい防災頭巾カバーを縫ってくれた。

またうんこを漏らしてもいいように、キティちゃんの茶色い迷彩柄のカバーだった。

 

私はその後、「学校でうんこを漏らして悪臭で午前中ずっとクラス中を混乱させた」という十字架をずっと背負うことになった。

中学校に入っても誰かが私のことを笑っているような気がする、小2の時に同じクラスだった子が覚えていて、噂を広めているのかも・・・と常に周りを気にしていた。

高校に入ってから、だんだんうんこを漏らしたことを、人に話してもいいかもしれないと思うようになり友人に話したことがある。

意外にも友人は爆笑してくれて、さらに実は自分は中学の時に漏らしたことがある・・・と話してくれる人もいた。

うんこを漏らしたことは私の中でようやく過去になった。

 

2回目のうんこ漏らしは25歳。私は小学生の時の経験のおかげで余裕だった。

簡単な話で、高熱と腹痛で寝込んでいた時に屁をしたらおしりが冷たくなり「まさか」と思ったらその「まさか」だったというだけだ。

 

うんこを漏らしてしまった人に言いたいのは、人はわりと大人になってもうんこを漏らすから早めに過去のことにしましょう、ということ。

 

おわり

 

わたし